1月30日15 分大出敦編『クローデルとその時代』(水声社、2023年)/ 西村友樹雄ポール・クローデルの生誕150周年にあたる2018年を一つの節目として、関連書籍の刊行が相次いでいる。水声社からは論集『ポール・クローデル 日本への眼差し』や図録『詩人大使ポール・クローデルと日本』、ミッシェル・ワッセルマン『ポール・クローデルの黄金の聖框』(本ブログでの書...
2023年12月28日26 分転覆と反転:ジャック・ランシエール『文学の政治』をめぐって / 市田良彦【2023年12月23日に開催された、ジャック・ランシエール『文学の政治』(森本淳生訳、水声社、2023年6月刊)オンライン合評会(フーコー研究フォーラム主催)の記録】 ランシエールの書くものは面白い。政治という主題をめぐって、彼との距離の取り方を直接の知己を得て以来30年...
2023年11月28日13 分白田由樹/辻昌子編著『装飾の夢と転生 世紀転換期ヨーロッパのアール・ヌーヴォー 第1巻 イギリス・ベルギー・フランス編』(国書刊行会、2022年)/ 鈴木重周本論集は、エクトル・ギマールやエミール・ガレといった名とともにわが国でも広く知られている「アール・ヌーヴォー」という芸術運動を、十九世紀末から二十世紀にかけての世紀転換期にヨーロッパで誕生した装飾芸術の大陸的スタイルとして改めて位置づける試みである。日本においてアール・ヌー...
2023年9月1日11 分ジャン・ポーラン『タルブの花』(榊原直文訳、水声社、2023年)/ 西村友樹雄ジャン・ポーラン『タルブの花』(1941、以下『花』と略記)の邦訳は、ポーランが没する直前に出版された野村英夫の手になるものがすでに存在する(晶文社、1968)。野村訳は、『言語と文学』(書肆心水、2004)にモーリス・ブランショ「文学はいかにして可能か」とともに再録されて...