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日本ヴァレリー研究会ブログ Le vent se lève
ヴァレリーやマラルメ、サンボリストにとどまらず、文学一般、哲学・音楽・美術・映画から世界の姿まで、古き問題と最新の話題をめぐり多様な人々が集う場…... 風よ立て!……
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小倉孝誠『「フランス文学」はいかに創られたか 敗北から国民文学の形成へ』(白水社、2025年)/ 足立和彦
フランス文学史の教科書といって、真っ先に思い出すのは白水社の『新版 フランス文学史』(饗庭孝男・加藤民男・朝比奈誼編、1992年)だ。それもそのはず、大学院入試の勉強の際、蛍光ペンを塗りまくって勉強したのがこの本だった。随所に長めの引用があって作品の雰囲気を感じ取れるのがよく、おかげであまり退屈せずに通史を概観できたと記憶している。 爾来、幾星霜(大げさ)。仏文学史全体を眺め渡す機会などそうそうなかったので、私の理解は院試のときからほとんど進歩がないままだ。我ながら情けないが、試験勉強って大事なもんだなと今さらながらに思う。文学史の教科書というのも有難いものだ。 そんな個人的感慨はともかくとして、改めて考えてみると、当時は大学院の入試=文学史の勉強、という等式はほとんど自明で、自分が何の疑問も抱かなかったことに思い至る。なるほど、どの時代を専門として研究するにせよ、通史を知っていることは大切に違いないが、しかしそれはそれほど「当たり前」なことだっただろうか。 フランス文学を学ぶということは、その起源(中世)から現代(当時はまだ20世紀だった
4月2日読了時間: 10分
【翻訳】アンリ・ド・レニエ「エピローグ」(Henri de Régnier, « Épilogue », in Poèmes anciens et romanesques, 1890, p. 149-150)/ 森本淳生
EPILOGUE I Au vieux livre à fermoirs de griffes et d’émaux Studieux d’être maître en l’ordre des magies J’ai dédié mon Âme et toutes énergies À savoir la vertu diverse des joyaux. L’émeraude aide les enfantements jumeaux, Le rubis qui rend chaste éloigne [1] des orgies, Améthyste, sagesse, œil des bonnes vigies, Et le diamant vainc le poison et les mots ! J’ai tué le lapidaire, un soir qu’il taillait À l’établi la cymophane et le jayet, Antidote préservateu
1月1日読了時間: 3分
ゾラ、モーパッサン、ユイスマンス他『メダンの夕べ──戦争と女たち』(足立和彦/安達孝信訳、幻戯書房、2025年)/ 田中琢三
1880年に刊行された『メダンの夕べ』( Les Soirées de Médan )は、エミール・ゾラ(1840-1902)、ギ・ド・モーパッサン(1850-1893)、ジョリス=カルル・ユイスマンス(1848-1907)、アンリ・セアール(1851-1924)、レオン・エニック(1850-1935)、ポール・アレクシ(1847-1901)という6名の自然主義作家による共同短編集である。ゾラ以外のモーパッサン、ユイスマンス、セアール、エニック、アレクシは、ゾラよりおよそ10才年下のいわば自然主義の第二世代の作家であり、この短編集の出版時には無名に近い状態であった。収録作は掲載順にゾラの「水車小屋の攻防」( L'Attaque du Moulin )、モーパッサンの「脂肪の塊」( Boule de Suif )、ユイスマンスの「背嚢を背負って」( Sac au dos )、セアールの「瀉血」( La Saignée )、エニックの「大七事件」( L'Affaire du Grand 7 )、アレクシの「戦闘のあと」( Après la batai
2025年12月27日読了時間: 12分
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