3月19日25 分アンリ・ベルクソン『記憶理論の歴史――コレージュ・ド・フランス講義 1903-1904年度』(藤田尚志/平井靖史/天野恵美理/岡嶋隆佑/木山裕登訳、書肆心水、2023年)/ 濱田明日郎はじめに まずはベルクソン哲学を学ぶものとして、そして次第にベルクソン哲学研究者として、評者はここ八年ほどベルクソンの著作を読み続けてきた。去る2023年10月、ついに発行されたベルクソンの講義録『記憶理論の歴史』邦訳を紐解いた評者は、一ページまた一ページと読み進めるにつれ...
2月4日6 分ピエール・ミション『小さき人びと——折々の肖像』(千葉文夫訳、水声社、2023年)/ 横田 悠矢——列車のなかでは心が張り詰めていた。これから本を書かなければならないが、できそうもなかった。 書かなければならない。しかし無気力に苛まれて筆は進まず、もう生きていたくはないが、かといって死のうとも思わない。恋人には素晴らしい原稿ができたと嘘の手紙を出し、実のところはアルコ...
1月30日15 分大出敦編『クローデルとその時代』(水声社、2023年)/ 西村友樹雄ポール・クローデルの生誕150周年にあたる2018年を一つの節目として、関連書籍の刊行が相次いでいる。水声社からは論集『ポール・クローデル 日本への眼差し』や図録『詩人大使ポール・クローデルと日本』、ミッシェル・ワッセルマン『ポール・クローデルの黄金の聖框』(本ブログでの書...