2022年6月17日20 分ヴィリエ・ド・リラダン『残酷物語』(田上竜也訳、水声社、2021年)/ 中筋 朋はじめに——ヴィリエを翻訳するということ ヴィリエの作品を訳すときの難しさのひとつに、バランスがある。風格と読みやすさのバランス。「語り」のような雰囲気から来る推進力がありながらも一筋縄でいかないヴィリエの文章は、ただ平易に訳すだけでは取りこぼすものが大きい。ヴィリエ、いや...
2022年4月19日33 分フーコー「サド講演」における欲望と真理 / 柵瀬宏平【『フーコー文学講義──大いなる異邦のもの』(柵瀬宏平訳、ちくま学芸文庫、2021年)書評会(2022年3月26日)の記録】 本日は、私が翻訳し、二〇二一年に刊行された『フーコー文学講義:大いなる異邦のもの』に収録された「サドに関する講演」についてお話しさせていただきます。...
2022年3月31日34 分文学、存在、フィクション / 市田良彦【『フーコー文学講義──大いなる異邦のもの』(柵瀬宏平訳、ちくま学芸文庫、2021年)書評会(2022年3月26日)の記録】 1)存在論とフィクション 本日の主題は60年代フーコーの文学論を現在の視点からどう捉え返すか、ということであろうと思いますが、80年代のいわゆるパレ...