2023年9月1日11 分ジャン・ポーラン『タルブの花』(榊原直文訳、水声社、2023年)/ 西村友樹雄ジャン・ポーラン『タルブの花』(1941、以下『花』と略記)の邦訳は、ポーランが没する直前に出版された野村英夫の手になるものがすでに存在する(晶文社、1968)。野村訳は、『言語と文学』(書肆心水、2004)にモーリス・ブランショ「文学はいかにして可能か」とともに再録されて...
2023年8月5日1 分【翻訳】アンリ・ド・レニエ「何者かが〈夕べ〉と〈希望〉を夢想する」(『さながら夢の中』所収)翻訳の試み / 森本淳生・鳥山定嗣端書き 以下に掲げるのはフランス象徴派詩人のひとりであるアンリ・ド・レニエの『古のロマネスク詩集』(1890)と並ぶ代表的詩集『さながら夢の中』(1892)所収の一篇「何者かが〈夕べ〉と〈希望〉を夢想する」の日本語訳である。すでにモレアスの『情熱の巡礼者』所収の何篇かについ...
2023年7月12日19 分言語と時間の政治学:王寺賢太『消え去る立法者』を読む / 淵田仁大著である。本論は王寺賢太『消え去る立法者』(名古屋大学、2023年)の内容を簡便に紹介し、その学術的意義を見定めようとする書評を目指していないことをあらかじめ断っておきたい。というのも、すでにいくつかの書評が書かれており、本書の全体像を理解するにはそれらを読むのが有益であ...