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日本ヴァレリー研究会ブログ Le vent se lève
ヴァレリーやマラルメ、サンボリストにとどまらず、文学一般、哲学・音楽・美術・映画から世界の姿まで、古き問題と最新の話題をめぐり多様な人々が集う場…... 風よ立て!……
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知と欲望──バルザック『絶対の探求』を読むフーコー / 森本淳生
【『フーコー文学講義──大いなる異邦のもの』(柵瀬宏平訳、ちくま学芸文庫、2021年)書評会(2022年3月26日)の記録】 1970年3月、フーコーはニューヨーク州立大学バッファロー校にていくつかの講演を行った。昨年10月に柵瀬宏平による優れた翻訳が刊行された『フーコー文...
2022年3月31日読了時間: 10分
【翻訳】ジャン・モレアス「アニェス」(『情熱の巡礼者』所収)──翻訳と註解の試み / 森本淳生・鳥山定嗣
端書き 以下に掲げるのは、いわゆる象徴主義宣言(1886)で知られるジャン・モレアスの詩集『熱烈な巡礼者』の冒頭を飾る詩篇「アニェス」の翻訳と註解である(Jean Moréas, « Agnès », in Le Pèlerin passionné , Léon Vanier, 1891, p. 3-8)。本詩集は、当時様々に試みられた「自由詩」le vers libreの一端を示すものとして重要であり、1891年2月2日には刊行を祝うパーティーが開催されるなど文壇の話題ともなった(ジッドがバレスによってマラルメに紹介されたのはこのときである)。1月23日、ピエール・ルイスはモンペリエで悶々としていたヴァレリーに向けて、次のように伝えている。「『熱烈な巡礼者』は、グロテスクに広告されていなければ、魅力的な一巻となっていたでしょう。そのせいでこの本にとってはきわめて不公平な事態になってしまったわけですが、私の周囲で聞こえてくるのは悪口ばかりです。とはいえ、まったくもって滑稽な台座をのけてしまえば、ヴェルレーヌに完全に匹敵する面がいろいろと見えてき
2022年3月28日読了時間: 11分
『GRIHL II 文学に働く力、文学が発する力』(文芸事象の歴史研究会編、吉田書店、2021年11月)刊行に寄せて / 嶋中博章
本書のタイトルにある「GRIHL(グリール)」とは、1996年に歴史家で社会科学高等研究院(EHESS)の研究指導官クリスチアン・ジュオーと、文学研究者でパリ第三大学教授アラン・ヴィアラ(2021年6月没)を発起人として発足したGroupe de Recherches...
2022年2月6日読了時間: 10分
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