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日本ヴァレリー研究会ブログ Le vent se lève
ヴァレリーやマラルメ、サンボリストにとどまらず、文学一般、哲学・音楽・美術・映画から世界の姿まで、古き問題と最新の話題をめぐり多様な人々が集う場…... 風よ立て!……
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1月15日読了時間: 28分
ジャン=ニコラ・イルーズ『マラルメ 諸芸術のあわい』/ 森本淳生
ボードレールが「香り、色彩、音が答えあう」「コレスポンダンス」を歌って以来、19世紀後半のいわゆる象徴主義的思潮においては、文学・美学・音楽といった諸芸術の関係がたえず関心の対象となってきた。日本でも近年、日仏会館で「芸術照応の魅惑」をめぐるシンポジウムが数度にわたって開催...
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2024年9月14日読了時間: 9分
宇佐美斉『小窓の灯り——わたしの歩いた道』(編集工房ノア、2024年)/ 大出敦
個人的な話で恐縮なのだが、「宇佐美斉」という名前を初めて目にしたのは、大学三年の時だから、1989年のことだ。大学図書館の書架にあった『落日論』と題された本が目に留まり、私は何気なくそれを手に取って頁をめくってみた。この時、目次をめくってみると、宇佐美先生は、どうやらフラン...
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2024年1月30日読了時間: 15分
大出敦編『クローデルとその時代』(水声社、2023年)/ 西村友樹雄
ポール・クローデルの生誕150周年にあたる2018年を一つの節目として、関連書籍の刊行が相次いでいる。水声社からは論集『ポール・クローデル 日本への眼差し』や図録『詩人大使ポール・クローデルと日本』、ミッシェル・ワッセルマン『ポール・クローデルの黄金の聖框』(本ブログでの書...
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2023年12月28日読了時間: 26分
転覆と反転:ジャック・ランシエール『文学の政治』をめぐって / 市田良彦
【2023年12月23日に開催された、ジャック・ランシエール『文学の政治』(森本淳生訳、水声社、2023年6月刊)オンライン合評会(フーコー研究フォーラム主催)の記録】 ランシエールの書くものは面白い。政治という主題をめぐって、彼との距離の取り方を直接の知己を得て以来30年...
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2023年11月28日読了時間: 13分
白田由樹/辻昌子編著『装飾の夢と転生 世紀転換期ヨーロッパのアール・ヌーヴォー 第1巻 イギリス・ベルギー・フランス編』(国書刊行会、2022年)/ 鈴木重周
本論集は、エクトル・ギマールやエミール・ガレといった名とともにわが国でも広く知られている「アール・ヌーヴォー」という芸術運動を、十九世紀末から二十世紀にかけての世紀転換期にヨーロッパで誕生した装飾芸術の大陸的スタイルとして改めて位置づける試みである。日本においてアール・ヌー...
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2023年9月1日読了時間: 11分
ジャン・ポーラン『タルブの花』(榊原直文訳、水声社、2023年)/ 西村友樹雄
ジャン・ポーラン『タルブの花』(1941、以下『花』と略記)の邦訳は、ポーランが没する直前に出版された野村英夫の手になるものがすでに存在する(晶文社、1968)。野村訳は、『言語と文学』(書肆心水、2004)にモーリス・ブランショ「文学はいかにして可能か」とともに再録されて...
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2023年8月5日読了時間: 1分
【翻訳】アンリ・ド・レニエ「何者かが〈夕べ〉と〈希望〉を夢想する」(『さながら夢の中』所収)翻訳の試み / 森本淳生・鳥山定嗣
端書き 以下に掲げるのはフランス象徴派詩人のひとりであるアンリ・ド・レニエの『古のロマネスク詩集』(1890)と並ぶ代表的詩集『さながら夢の中』(1892)所収の一篇「何者かが〈夕べ〉と〈希望〉を夢想する」の日本語訳である。すでにモレアスの『情熱の巡礼者』所収の何篇かについ...
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2023年4月5日読了時間: 5分
ミッシェル・ワッセルマン『ポール・クローデルの黄金の聖櫃──〈詩人大使〉の文化創造とその遺産』(三浦信孝/立木康介訳、水声社、2022年)/ 学谷 亮
ミッシェル・ワッセルマン氏の新著『ポール・クローデルの黄金の聖櫃──〈詩人大使〉の文化創造とその遺産』は、クローデルと日本との関係をめぐってある種の幻想を抱いている読者にとっては、きわめて衝撃的な書物だと言えるだろう。本書で描き出されるクローデル像は、「日本文化の讃美者」や...
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2023年3月20日読了時間: 4分
【翻訳】ジャン・モレアス「追憶する騎士が語ったこと」(『情熱の巡礼者』所収)──翻訳と註解の試み / 森本淳生・鳥山定嗣
端書き 以下に示すのは、ジャン・モレアス『情熱の巡礼者』所収の「追憶する騎士が語ったこと(« Le dit d’un chevalier qui se souvient »)」の日本語試訳と註解である。同詩集に収められた「アニェス」および「花の敷かれた道」についてはすでに本...
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2023年2月6日読了時間: 7分
ヴァレリーの言葉を導きに フランス文学者の白鳥の歌──保苅瑞穂『ポール・ヴァレリーの遺言──わたしたちはどんな時代を生きているのか』(集英社、2021年)/ 安永愛
プルースト研究の泰斗として知られ、モンテーニュやヴォルテール、さらにはレスピナス嬢についても優れた著作を残した保苅瑞穂は、奇しくもプルースト生誕150周年にあたる2021年7月10日にパリにて亡くなった。本書は、文芸誌『すばる』2019年9月号から2021年1...
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2023年1月28日読了時間: 16分
【翻訳】ジャン・モレアス「花の敷かれた道」(『情熱の巡礼者』所収)──翻訳と註解の試み / 森本淳生・鳥山定嗣
端書き 以下に示すのは、ジャン・モレアス『情熱の巡礼者』所収の「花の敷かれた道(« Jonchée »)」の日本語試訳と註解である。同詩集に収められた「アニェス」についてはすでに本ブログに翻訳と註解を掲載しているのであわせてご覧いただきたい。翻訳にあたっては初版(Moréa...
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2022年6月17日読了時間: 20分
ヴィリエ・ド・リラダン『残酷物語』(田上竜也訳、水声社、2021年)/ 中筋 朋
はじめに——ヴィリエを翻訳するということ ヴィリエの作品を訳すときの難しさのひとつに、バランスがある。風格と読みやすさのバランス。「語り」のような雰囲気から来る推進力がありながらも一筋縄でいかないヴィリエの文章は、ただ平易に訳すだけでは取りこぼすものが大きい。ヴィリエ、いや...
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2022年3月28日読了時間: 11分
【翻訳】ジャン・モレアス「アニェス」(『情熱の巡礼者』所収)──翻訳と註解の試み / 森本淳生・鳥山定嗣
端書き 以下に掲げるのは、いわゆる象徴主義宣言(1886)で知られるジャン・モレアスの詩集『熱烈な巡礼者』の冒頭を飾る詩篇「アニェス」の翻訳と註解である(Jean Moréas, « Agnès », in Le Pèlerin passionné, Léon...
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