1月30日15 分大出敦編『クローデルとその時代』(水声社、2023年)/ 西村友樹雄ポール・クローデルの生誕150周年にあたる2018年を一つの節目として、関連書籍の刊行が相次いでいる。水声社からは論集『ポール・クローデル 日本への眼差し』や図録『詩人大使ポール・クローデルと日本』、ミッシェル・ワッセルマン『ポール・クローデルの黄金の聖框』(本ブログでの書...
2023年12月28日17 分「シーン」、あるいは、共存の空間 / 森本淳生【2023年12月23日に開催された、ジャック・ランシエール『文学の政治』(森本淳生訳、水声社、2023年6月刊)オンライン合評会(フーコー研究フォーラム主催)の記録】 【合評会冒頭の書物紹介】 本日はランシエール『文学の政治』の合評会にお集まりくださり、ありがとうございま...
2023年12月28日14 分文学の政治、芸術の政治 / 鈴木亘【2023年12月23日に開催された、ジャック・ランシエール『文学の政治』(森本淳生訳、水声社、2023年6月刊)オンライン合評会(フーコー研究フォーラム主催)の記録】 ランシエールは1990年代にかけて「文学論」と呼びうる著作を矢継ぎ早に刊行し――『マラルメ』(1996)...
2023年12月28日14 分詩人における哲学者 / 熊谷謙介【2023年12月23日に開催された、ジャック・ランシエール『文学の政治』(森本淳生訳、水声社、2023年6月刊)オンライン合評会(フーコー研究フォーラム主催)の記録】 ジャック・ランシエール『文学の政治』は2023年、森本淳生氏により翻訳、水声社より出版された。2007年...
2021年5月19日16 分他者の痛み:『愛のディスクール──ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』(森本淳生・鳥山定嗣編、水声社、2020年)/ 伊藤亜紗『愛のディスクール』を読んで感じた率直な感想は、ヴァレリー研究者としての戸惑いである。私は文学研究ではなく美学の立場からその芸術論を中心にヴァレリーについて研究してきたので、このような伝記的な事実については知らないことばかりだった。もっとも、冒頭に記されているように、本書は...
2021年5月19日22 分『愛のディスクール──ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』(森本淳生・鳥山定嗣編、水声社、2020年)/ 田上竜也かつて厳格な主知主義者と目されていたポール・ヴァレリーの精神世界において、波乱にみちたエロスの劇が重要な役割を果たしていたことが知られるようになって久しい。近年、遺族によるプライバシー管理がいくぶん緩やかになったことにともない、ヴァレリーが女性たちに宛てた書簡を中心とする資...
2020年5月26日6 分原大地『ステファヌ・マラルメの〈世紀〉』(水声社、2019年)/ 松浦菜美子本書は19世紀後半のフランス詩人ステファヌ・マラルメ(1842-1898)が自らの時代との交渉の中で「いかにして詩人たろうとしたのか」(p. 11)、その歩みを描き出す試みである。初期の1860年代と詩人が円熟の域に達した90年代とをつなぐ時期として、著者はマラルメ中期と呼...