2023年3月29日読了時間: 19分アルジェリア人作家ラシド・ブージェドラの作品研究を通じて自らのアルジェリア体験を振り返る / 椎名隆一先般、大学院の修士論文で、アルジェリアのフランス語表現作家ラシド・ブージェドラ(Rachid Boudjedra、1941-)の幾つかの作品について考察したので、簡単に内容をご紹介したい。なお、はじめにお断りしておかなければならないのは、筆者は数年前に社会人生活を終え、長年...
2022年4月19日読了時間: 33分フーコー「サド講演」における欲望と真理 / 柵瀬宏平【『フーコー文学講義──大いなる異邦のもの』(柵瀬宏平訳、ちくま学芸文庫、2021年)書評会(2022年3月26日)の記録】 本日は、私が翻訳し、二〇二一年に刊行された『フーコー文学講義:大いなる異邦のもの』に収録された「サドに関する講演」についてお話しさせていただきます。...
2022年3月31日読了時間: 34分文学、存在、フィクション / 市田良彦【『フーコー文学講義──大いなる異邦のもの』(柵瀬宏平訳、ちくま学芸文庫、2021年)書評会(2022年3月26日)の記録】 1)存在論とフィクション 本日の主題は60年代フーコーの文学論を現在の視点からどう捉え返すか、ということであろうと思いますが、80年代のいわゆるパレ...
2022年3月31日読了時間: 10分知と欲望──バルザック『絶対の探求』を読むフーコー / 森本淳生【『フーコー文学講義──大いなる異邦のもの』(柵瀬宏平訳、ちくま学芸文庫、2021年)書評会(2022年3月26日)の記録】 1970年3月、フーコーはニューヨーク州立大学バッファロー校にていくつかの講演を行った。昨年10月に柵瀬宏平による優れた翻訳が刊行された『フーコー文...
2020年12月7日読了時間: 13分『女は不死である』、幻の序文 / 立木康介セーヌの岸辺から、しわがれた声のリトゥルネロが聞こえてくる。 ──性関係はない と。いや、それが響いてくるのはむしろパンテオンのほう、だから聖ジュヌヴィエーヴの丘のほうからだ。声はさらにこう続ける。 ──女なるものは存在しない……!...
2020年6月19日読了時間: 15分ラ・グローレ探訪記 / 松田浩則ヴァレリーがポッジ家の領地ラ・グローレを最初に訪れてちょうど百年目にあたる2020年の3月12日、いくつかの幸運が重なってラ・グローレを訪ねる機会を得た。 パリのモンパルナス駅からTGVに乗り、ボルドーのサン=ジャン駅で支線に乗り換え、リブルヌ(Libourne)駅で降りて...
2019年9月20日読了時間: 7分カトリーヌ・ポッジの『日記』の1ページから / 松田浩則カトリーヌ・ポッジの『日記』Journal 1913-1934は1987年にÉditions Ramsayから出版されたが、その後2005年、それより小型の版が、注を若干数追加するかたちでÉditions Phébusから出版された。双方とも、序文はLawrence...